建築会社の設計提案を見たい場合

家が倒壊してしまうと家を持っていれば

結局、乗り換えは無事にできたのだがこんな無茶な移動は後にも先にも一度だけである。アルケ·スナンにあるショーの製塩工場は、建築史でもマイナーな存在であり、閑散とした場所だと思っていた。しかし、フランス人やドイツ人の観光客がそれなりにいて驚かされた。主に高齢者でバスを使う団体旅行のようだった。グルメと買い物の情報ばかりが詳しい日本の旅行ガイドでは紹介されていないが、美術や建築ファンの外国人には知られているのだろう。

アール·ヌーボーの館-ブリッセル(ベルギー)パリからブリッセルは日帰りができる。フランスとベルギーの二都物語。国が違うとはいえ、11時間以内で到着してしまうのだ。二つの都市に共通するのは、100年前の世紀の変わり目に、アール。
ヌーボーの建築が登場したことである。アール·ヌーボーとは、新しい芸術という意味だが、まさしく過去の様式建築とは断絶した革新的なデザインをめざした。パリでは、一九00年にエクトル·ギマールが地下鉄の入口をこの様式で飾ったのに対し、ブリッセルでは、ヴィクトル·オルタが美しい都市住宅を手がけている。いずれも直角を排し、植物のかたちにヒントを得て、曲線を多用したデザインである。石や煉瓦に代わって、鉄という新しい素材をいかに使うのかを考え、こうした形態が導きださブリッセルで訪れたかったのは、オルタの自邸である。
住宅って何プレハブ

インテリアとする


家を形づくっていく上

>間取り確定請負契約実は市民の住宅が建築家の重要な仕事になるのは、近代になってからのことだ。それまでは、もっぱら貴族や富豪の家、あるいは公共建築を設計していた。しかし、近代以降、大きな宮殿や教会をつくらなくとも、小さな住宅だけでもスターになる建築家が登場した。ましてや建築家の自邸は、本人が施主となるだけに、思いきり実験的な空間を追求できるオルタ邸の外観はそっけないが、密度の濃いインテリアをもち、家具から装飾にいたるまで技巧を凝らしたアール·ヌーボーの結晶のような作品である。都市に対しては無表情だが、個人の空間は徹底的に手を入れる。これも近代的な人間の都市生活をよく反映している。最大の見所は、美しい階段室だろう。繁殖する植物のようにからみつく手すり。光を透過するガラスの天共夢のような空間を映しつつ無限に増殖させる向かい合わせの鏡オルタは、家族とここで約110年間暮らした。ところで、住宅でひとつ問題なのは公共建築とは違い、居住者がいる場合、内部を見学できないことである。だが、幸い、ここは現在オルタ美術館として一般公開されている(口絵参照)。
ブリッセルからパリに戻る電車のなかで、スケッチを描いていたら、反対の席に座っていた外国人の夫妻に話しかけられた。夫がグラン·プロジェパリの国家的な建築プロジェクトのひとつ、新オペラ座を手がけていた設計事務所で働いているという。


省エネ法改正で削除

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間取りを追ってみましょう一方、妻は旅行に出ても、夫がいつも建築の関係者と隣合わせになるのだと語り、ややあきれ顔。当時、筆者は建築史の研究だけではなく、設計もやろうと考えていたので、そうした展望について語った。しかし、両立は難しいだろうと指摘された。結果的に、彼の言う通りになったのだが。
二度目のブリッセルでは宿泊した。予約もなく、飛び込みだったが、運よく観光名所の広場グラン。
プラスに面したホテルが空いていた。近世の様式建築に囲まれた広場は、夜遅くまでにぎわいが絶えない。日本ではなかなかこうした広場が成立しないだけに、ヨーロッパの都市らしさを強く感じさせる場所だ。制の上段の写真は、夜にホテルの窓から撮影したもの。広場の建築群が1枚の絵になっている。

パンテオンとトラヤヌスのマーケット-ローマ(イタリア)ヨーロッパを旅行していると、あちこちでローマ時代の遺跡に出会う。
工事対象になることがあるという

建築会社でモノコック構造は採用されて例えば、南フランスのニームでは、比較的保存状態のいい神殿メゾン·カレと巨大な闘技場。また少し足をのばすと、都市に水を引くための、水道橋ポン·デュ·ガールも見ることができる。イギリス、スペイン、トルコなどで遺跡の存在を知るにつれ、改めてローマ帝国の広さに驚かされる。未見だが、北アフリカにも都市が建設されていた。それだけ、ローマ帝国は拡張し、建設事業を広域に展開した。各地を支配下に置き、同型の都市をつくり、古典主義の建築を流布させた、戦争·土木国家。いわば、古代世界におけるグローバリズムであるイタリアのローマは、その世界帝国の首都だった。したがって、ローマは、古代の遺跡からルネサンス、バロックの傑作にいたるまで、建築の宝庫である。いや、都市がそのまま建築博物館になっているというべきか。見るべきものが、あまりにも多すぎる。何度訪れても、十分とは言えない。歴史的な建築が重層的に刻まれた奇跡の都市である。近世のヨーロッパにおいても、グランド·ツアーと呼ばれる上流階級の教育旅行の目的地は、やはりローマだった。日本人の修学旅行で奈良·京都を訪れるようなものだ。もっとも、最近はディズニーランドが増えているようだが。


住宅ではなく賃貸

ローマの建築から、個人的に興味があるものを、あえて二つだけ選ぶとすれば、トラヤヌスのマーケットだ。いずれも11世紀初頭の建築である古代のパンテオンとやおよろずパンテオンは、八百万の神をまつる円形の神殿である。直径四三メートルの円筒の上に、同じ直径の半球ドームがのるという単純明快な構成をもつ。つまり、球体がきれいに内接している空間なのだ。宇宙的なコスモロジーを連想させる完全な形態である。そして頂部が天窓になっており、太陽の光が差し込む。時間が経過すると、光の照らされる位置が変化し、天空の動きをダイナミックに感じることができる。一般的にローマの建築は巨大さにおいても驚異的だが、パンテオンのドームも二000年前のものだとは信じられない迫力をもつ。
住まいの基本は食う寝る遊ぶ

家に住みたいと思える

住宅購入者の間では評判がよい内部に一歩足を踏み入れると、息を飲むような大空間が広がっている。ちなみに、これは東京駅のドームなど、後世に無数のコピーを生み出した建築でもある。

一方、トラヤヌスのマーケットは地形をいかした複雑な商業施設である。都市の再開発に伴い、立ち退きにあった商店や住宅を収容したものらしい。なんとも現代的だ。これはまず広場に面して、半円形の施設があり、その三階の高さにW字型の街路を組み込む。この通りには、一階を商店とする四階建ての建物を置く。さらに、脇の坂道沿いにのぼると、最上部に11階建てのホールが続く。ここは両側に商店が並び、真中の通りに交差ヴォールト二つの半円筒を直交させてつくるかたちの天井がかかっており、ショッピングモールの元祖のような構成である。